離婚したら名義の変更が必要な各種の手続きについて
離婚したら名義の変更が必要な物とは?
離婚は、結婚の数十倍の労力がかかると言われています。
離婚時には、親権や養育費、財産分与など決めるべきことがたくさんあります。
見落としがちなのは、離婚後の名義変更です。
名義変更を怠っていると、のちのちトラブルになりがちです。
今回は、離婚後に名義変更が必要なものについて解説していきます。
離婚を検討している方は参考にしてみてください。
離婚後、名義変更が必要なもの1 自動車
離婚後、元配偶者から自動車を譲り受けることになった場合、名義変更手続きが必要です。まずは、車の名義が誰になっているのかを確認しましょう。
車検証の所有者と使用者の欄を確認し、名義が元配偶者になっていることが確認できたら手続きをスタートさせます。
手続きを行う場所は、離婚後の住所を管轄している陸運支局です。
必要書類を用意して、陸運支局へ行きましょう。
必要書類は、
- ・自動車検査証
- ・実印
- ・元配偶者からの委任状
- ・印鑑証明書
- ・譲渡証明書
- ・自動車保管場所証明書
- ・自動車税 自動車所得税申告書
- ・自動車納税証明書
- ・住民票
- ・自動車保険証明書
- ・移転登録申請書
この必要書類は、普通自動車・軽自動車とも同じになります。
注意すべき点は、軽自動車の場合、手続きする場所は陸運支局ではなく、
離婚後の住所をかんかつしている軽自動車検査協会になるという点です。
離婚後、名義変更が必要なもの2 不動産
次に、不動産の名義変更について確認していきましょう。
住宅ローンがすでに完済されている場合には、法務局に登記申請を行うことで
名義変更をすることができます。
ただし、登記申請をして所有権が変わると、登録免許税や不動産所得税が課税されます。
また、手続きを司法書士などに依頼する場合には、手数料が必要になります。
離婚後、名義変更が必要なもの3 住宅ローン
住宅ローンが完済していない場合、住宅ローンの名義変更は可能なのでしょうか。
できることはできるのですが、かなり大変だと覚悟しておいた方がおいいでしょう。
銀行の許可がなかなかおりないケースも多いのです。
ですが、以下の3つの方法であれば、住宅ローンの名義変更ができる
可能性は高まります。
・住宅ローンの借り換え
新規で住宅ローンを契約し、残りの住宅ローンを支払っていくという方法です。
この場合、新しく住宅ローンを契約する人が、正社員など安定した職と収入を得ていることが前提となります。
・連帯債務、連帯保証人を別の人にする
よくある住宅ローンのケースは、夫が住宅ローンを借りていて、
妻が連帯保証人になっている、というものです。
離婚で妻が連帯保証人から外れる場合、連帯保証人を他の人にかわってもらうことで名義変更が可能なケースもあります。
ただし、連帯保証人の変更を認めるか否かは、銀行の判断に委ねられるため、
認められないケースも多々あります。
・共有名義をどちらかに統一
夫婦で連帯債務を負っていた場合、
共有名義をどちらか一方に統一することが可能です。
ただし、この場合も単独名義となる側に、
安定した仕事と収入があり、返済能力が認められることが条件になります。
このように、住宅ローンの名義変更は、ローンの返済能力の有無が重視されるのです。
離婚後、名義変更が必要なもの4 児童手当
「結婚している間は、児童手当は夫の口座に振り込まれるようにしていたけれど、離婚して親権を得たから振込先を変えたい」という人は多いでしょう。
この場合、母親の銀行口座に振込先を変更することが可能です。
まずは、元配偶者に児童手当の受給をストップする手続きをしてもらう必要があります。元配偶者に児童手当・特例給付事由消滅届を出してもらいましょう。
その後、母親が児童手当・特例給付認定請求書を提出することで、
振込先を変更することができます。
児童手当の振込先変更手続きは、離婚後なるべく早く行う必要があります。
なぜなら、児童手当の支給月は、2月(10月〜1月の4ヶ月分)、
6月(2月〜5月の4ヶ月分)、10月(6月〜9月の4ヶ月分)の年3回であり、手続きが遅れてしまった場合、4ヶ月分の児童手当が元配偶者のもとに送られてしまう可能性があるからです。
離婚後、名義変更が必要なもの5 各種保険
各種保険も名義変更の手続きを行う必要があります。
詳しくは保険会社に問い合わせしてみましょう。
ただし、終身保険に関しては、一般的には解約し、解約したときに戻ってきたお金を財産分与で半分に分けるのが一般的な考え方になります。
離婚前に名義変更が必要な物を確認しましょう
今回は、離婚時に必要な名義変更の手続きについて解説してきました。
「こんなにやることがあるなんて」「必要書類が多すぎて面倒」と感じる人も多いでしょう。
案ずるより産むがやすしで、実際に初めてみれば、すぐに終わる手続きがほとんどです。名義変更を面倒だと後回しにしていたら、金銭的に損をし、のちのちトラブルになりかねません。
離婚後は、速やかに必要な名義変更手続きを行いましょう。
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