離婚したら子供の戸籍はどうする?戸籍を変更するしないのメリット・デメリット
離婚すると子供の戸籍はどうなる?変更の手続きとメリット・デメリット
離婚する場合、自分や子供の戸籍をどのようにすればいいのか、
悩んでいらっしゃる方も多いでしょう。
ご紹介していきたいと思います。
戸籍とは?
戸籍とは「生まれてから死ぬまでの親族的身分関係を登録し公証するもの」で、
日本と韓国、台湾の三国のみが採用している世界でも珍しい制度です。
そのため、「戸籍なんて制度はいらないのでは」と言われることも多いのですが、
現状、日本人であれば戸籍は必要になってきます。
戸籍に入らなければ、パスポートを作ることもできませんし、
社会福祉を受けることもできません。また、結婚するときにも不都合が生じます。
そのため、現時点では、日本人である限り戸籍からは逃げることはできないのです。
離婚すると夫婦・子供の戸籍はどうなる?
結婚すると、新しい戸籍をつくり、夫婦が一緒の戸籍に入ります。
新しい戸籍を作る場合には、戸籍の代表者として、筆頭者を記載する必要が
あります。現代の日本では、夫が筆頭者になることが多く、
そのために結婚したら女性が男性の姓に変わることが多いのです。
離婚するとなると、新しく夫婦で作った戸籍から、どちらかが抜ける必要があります。
ここでは、一般的な筆頭者が夫である場合について話します。
筆頭者が夫の場合、夫は夫婦で作った戸籍に残りますから、特に離婚後に新しい戸籍を作る必要はありません。
一方、筆頭者ではない妻は、夫婦で新しく作った戸籍を抜ける必要がでてきます。
妻側には、
- 昔の戸籍に戻る
- 新しい戸籍を作る
一般的なのは、昔の戸籍に戻ることでしょう。
離婚した場合、基本的には昔の戸籍に戻ることになりますから、
離婚届を提出しただけであれば、何も届け出を出さなくても
自動的に結婚前の戸籍に入ることになります。
ただし、両親がすでに他界していて戻る戸籍が無い場合や、
婚姻時の姓をそのまま名乗り続けたい場合、または子供と一緒の戸籍に入りたい場合などは、新しい戸籍を作る必要がでてきます。
ここで、「子供と一緒の戸籍に入りたいならば、結婚前の戸籍に子供も一緒に入っちゃえばいいんじゃない?」と考える方もいるでしょう。
もっともな意見ですが、戸籍法では、一つの戸籍には一組みの夫婦と子供しか入れることができないと定められており、孫を入れることは想定されていないのです。
そのため、子供と一緒の戸籍に入りたいと思うのならば、新しい戸籍を作る必要が出てくるのです。
離婚後に子供の戸籍と母親の戸籍が違うとどんなメリット・デメリットがある?
ここで、新しい戸籍を作って母親と子供、一緒の戸籍に入るべきか、
についてみていきましょう。
現状、子供の親権をとるのは圧倒的に母親が有利です。
90パーセント以上の確率で子供の親権は取れると考えていいでしょう。
親権がとれれば一緒に生活できることになります。
その場合、子供の戸籍が父親のもとに残っていて、母親が結婚前の戸籍に入った場合、子供は父親の苗字を名乗り、母親は旧姓を名乗る、ということになります。
一緒に生活していて、苗字が異なるということに心理的抵抗を感じる人も多いでしょう。その場合は、子供と母親の戸籍を同じにして、苗字を一緒にするのがよいでしょう。
また、子供と母親の戸籍が別々の場合、
「戸籍謄本を取得する際に、昔の夫の住所まで足を運ぶ(または郵送を依頼する)
必要がある」などの面倒も発生してしまいます。
その他にも、母親の戸籍を婚姻時のままにしていた場合、別の相手と再婚すれば最初の旧姓に戻す事ができなくなります。
これには、離婚後に戻せる姓は「一つ前の苗字に限る」という決まりがあるためです。
つまり、子供も母親の最初の旧姓を授かる事はできなくなります。
このように、子供の戸籍と母親の戸籍が違うことで色々と面倒な点があるのは、デメリットといえるでしょう。
子どもの戸籍と母親の戸籍が違うメリットはある?
一方、戸籍を別々にした場合(子どもの戸籍を父親のもとに置いたまま場合)、メリットはあるのでしょうか?
一つには、子どもの苗字を変えずに済むという点があります。
特に小さな子どもだと、幼稚園や学校で突然呼ばれる苗字が変わることにストレスを感じやすいものです。父親の戸籍のままなら、苗字が変わることはありません。
ですが、苗字の問題は子どもの戸籍を母親の戸籍と一緒にしても解決できます。
まず、実際の苗字が変わってしまっても、幼稚園や学校ではこれまでの苗字を「通称名」として名乗ることができます。
なので、普段は苗字が変わったことが周囲に知れることはありません。
ただし、卒業証書など公的な文書は戸籍上の姓で記載されることになります。
また、母親が結婚時の苗字を使い続けるという選択をする手もあります(この場合も、新しい戸籍を作ることになります)。
但しこの場合、離婚してから3ヶ月以内に役場で手続きを行う必要があります。
この期間を過ぎると、裁判所で手続きを行わなければならなくなる上、氏を変更できる可能性も極めて低くなります。
これらのメリット・デメリットを比較して、どちらの選択を取るかは、何を重視するかによるでしょう。
子供と母親の名字の違いや、役所での手続きの手間を考えると、なるべく子供と母親の戸籍は一緒にした方がよいでしょう。
もし子どもの戸籍を自分の戸籍に入籍させたい場合には手続きをとる必要があります。 次項では、その手続きについてご紹介します。
離婚後に子供の戸籍を変更するための手続きとは?
子供の戸籍を変更するための具体的な手続きについて確認していきましょう。
まず、子供の姓を母親の結婚前の姓と同じにする場合、家庭裁判所に「子供の氏の変更許可申立書」を提出します。申立が許可されると、「許可審判書」が交付されます。この「許可審判書」と「入籍届」を親権者の住む市町村の役場に提出して戸籍変更は完了です。
但し、役場によって提出する際に必要な資料が異なるので、自身が提出を考えている役場へ事前に確認しておきましょう。
離婚後、子どもの戸籍変更には期限がありません。
なので、子どものことを考えて苗字を変えるのに抵抗があるというような場合には、小学校から中学校に上がるタイミングなど、子供に影響が出にくい時期を見計らって変更する、という手もあります。
さいごに
今回は、離婚後の子供の戸籍についてご紹介してきました。
戸籍は世界でも珍しい独特の制度であり、理解がなかなか難しい複雑な面もありますが、手続き自体は比較的簡単です。
離婚することになったら、自分と子供の戸籍をどうしたいのか、
しっかり考えておきましょう。
親権を母親が持つ場合は、子供と母親は同じ戸籍に入った方が何かと便利です。
戸籍の変更、姓の変更は、子供がストレスを受けにくい時期を見計らって行いましょう。
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