警察に被害届を出す方法を解説します。

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探偵に聞いてみた

被害届の出し方!警察に被害届を出す方法を解説

警察に被害届を出す方法

犯罪に巻き込まれてしまった場合、被害届を速やかに提出する必要があります。

しかし、「被害届」という名前は聞いたことがある方でも、どこでどのように届出すればいいのか、書類を自分で用意する必要があるのかなど、詳細を知らないという方が大半でしょう。

万が一にそなえ、被害届とは何か、被害届の出し方・効力について確認しておきましょう。


被害届とは?どんなときに出したらいい?


被害届とは、犯罪に巻き込まれたさい、被害を受けた事実を捜査機関に知らせる書類です。ここでいう「犯罪」は多岐にわたります。

例えば、「恐喝された」「オレオレ詐欺にあった」「店舗などで万引きされた」などもふくみます。

警察は、通報がなければ犯罪がおこったことを知ることができず、警戒や捜査をすることができません。

ですから、犯罪を調査し犯人を逮捕してほしいと思うならば被害届を提出しておく必要があるのです。

被害届の出し方。どこに出せばいいの?


次に、被害届の出し方について確認していきましょう。


被害届はどこに出せばいいの?

被害届は、警察署・交番に常備されています。
被害に遭った近隣の警察署で提出しましょう。

被害届は、警察署で「被害届を出したいのですが」と伝えると、その場で書類をもらい、提出することができます。
パソコン上でダウンロードすることもできるため、自分で印刷し、前もって書いて警察署や交番に出向く、という手もあります。

被害届の届出には、大きく4つあります。

  • ・あらかじめ被害届を印刷し、自分で記入して提出する
  • ・口頭で被害を申告した後、自分で記入する
  • ・口頭で被害を申告した後、警察官が代書する
  • ・口頭で被害を申告した後、警察官が供述調書を作成する
犯罪捜査規範第61条「被害届の受理」

4の供述調書を作成した場合は、被害届の提出を省略することができます。

供述調書とは、刑事捜査において、被疑者や参考人・被害者の供述を記録するものです。

被害届と供述調書の違いは、作成する人です。
被害届は届出者が、供述調書は警察官が主体で作成します。

供述調書は裁判における証拠の1つにもなる法的効力のある書面です。
警察官が必要と判断したときに、被害届の作成を省略して供述調書の作成を行うことがあります。


被害届に記入すべきこと

犯罪の種類によって若干内容が異なる可能性はありますが、だいたいは下記の項目を記入するように促されます。


  • ・あなたの住所・氏名・年齢・仕事は何をしているか
  • ・被害にあった曜日・時間
  • ・被害にあった場所
  • ・被害の詳しい状況(どういった犯罪に巻き込まれたのか)
  • ・金品の損失があった場合は、誰の持ち物か、どれくらいの価値のものか
  • ・犯人に目星がついている場合は、犯人の住所や名前
  • ・犯人を目撃した場合は、背格好や特徴などについて

被害届を提出する際のもちもの


被害届をネット上でダウンロードすることができる旨を先述しましたが、警察や交番に準備されているため、わざわざ印刷する必要はありません。

提出の際は、免許証やパスポート、保険証などの身分証と印鑑を持参しましょう。

また、被害の証拠となるようなものがある場合は、そちらも合わせて持っていくようにしましょう。

被害届は被害を受けた本人しか出せない?


被害届は、基本的に被害者本人ですが、本人以外でも代理で提出することができます。

被害届には「届出人」と「被害者」の欄が別々になっているので、代理で提出するときは「届出人」に代理人の名前を書くことになります。

被害届はいつまでに出すべき?

被害届の提出に期限はありませんが、できる限り早く提出することが望ましいでしょう。

次項でも触れますが、被害届は提出しても、すべて受理されて捜査につながるとは限りません。

犯罪は時間が経過するとともに犯人の割り出しや証拠取得が難しくなるため、被害届の提出が遅いことが不受理や、受理されても動いてもらえない理由になることもあります。

中には、「犯人がわかっていて証拠もあるが、被害を知られたくない」と、被害届を出さずにいるケースがあります。

後々、勇気を出して被害届を出そうと心を決めることもあるでしょうが、その場合、注意しておきたいのが「公訴時効」です。

公訴時効とは、法律の定める期間が経過すれば、犯人を処罰できなくなる、というものです。いわば、検察官が起訴できるタイムリミットということです。

たとえ公訴時効に間に合うように被害届を提出しても、そこから捜査を開始して起訴に持ち込むには時間がかかります。起訴への準備中に公訴時効を迎えてしまうという事態が起きかねません。

被害届の提出はなるべく迅速に、時間を置く場合にも公訴時効に余裕を持ってするようにしましょう。


被害届が受理されない場合もある

被害届は、本来「犯罪捜査規範第61条」に規定があるように、事件の大小を問わず受理しなければならないと規定されています。

しかし、実際には提出しても受理してもらえないケースや、遠まわしに提出を取り下げるよう勧告されるケースが少なくありません。

どのような場合に、不受理のケースが多いのでしょうか?


  • ・被害から時間が経過していて、捜査が難しいと判断された場合
  • ・被害がごく軽微である場合
  • ・証言があいまいで被害内容に信憑性がないと判断された場合
  • ・刑事事件ではなく民事事件と判断された場合

被害届をしっかり受理してもらうためには、被害内容をできるだけ具体的に整理し、被害後早めに提出することがポイントです。


被害届を出したあとはどうなる?

被害届が受理されたあと、警察が事件性があると判断した場合、捜査が行われることになります。

その場合、事情聴取や証拠品の提出、実況見分への立会いなどが求められるでしょう。

ただし、必ずしも受理されたからといってすぐに捜査が始まるわけではありません。
被害届はあくまでも犯罪の事実を知らせ、捜査のきっかけを作るためのツールにすぎません。被害届によって捜査する義務を負うわけではないのです。

警察に届出した後の手続きについては、下記サイトを参考にしてみてください。


被害届を出すデメリット

被害届を出すことで、加害者を罰するためのきっかけを作ることはできますが、被害届の提出にはデメリットもあります。

被害届の受理後に捜査が始まった場合、捜査への協力を求められることになります。

事情聴取や実況見分は、長時間拘束されることもあり、また被害時の嫌な記憶を詳細に思い出すことを要求されるのです。

警察からの聴取要請は任意なので拒否することもできますが、
もし、起訴された後、裁判所から証人として出頭を求められた場合は原則拒否することができません。特別な理由なしに拒否した場合は、10万円以下の過料、もしくは一年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。


告訴状と被害届の違いとは?

被害届と同様、告訴状という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
この二つは似て非なるものです。

被害届も告訴状も、犯罪に遭ったという被害を申告するものですが、

  • 被害届 =被害に遭った事実を申告する届出
  • 告訴状 =被害に遭った事実を申告し、かつ犯人の処罰を求める意思表示

という違いがあります。

被害届はあくまでも事実の届出だけで、たとえ受理されても警察が必要性を認めなければ捜査されないことがあります。

ですが、告訴状が受理された場合は、警察は警察官に捜査をしたのか、起訴したのかという報告義務が生じるため、必ず犯人逮捕のために動かなければならなくなります。

「なら最初から告訴状を出した方がいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、告訴状の受理は被害届の受理に比べてハードルが高いのです。

そのため、「犯罪に巻き込まれたけれど、証拠があまりない」という場合は、まずは被害届から出すのが現実的だといえるでしょう。


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