離婚するために別居?別居する際の注意点
離婚前に別居した方が良い?別居前に確認してほしいメリット・デメリット
「離婚したい」
そう考えて、何ももめることなく、あっさりと別れることができる
ケースはまれです。
離婚は、財産分与や慰謝料などで争いが発生するケースが多く、
精神的にも経済的にも負荷がかかることがよくあります。
今回は、離婚をする前に別居をしたい、と考えている方に向けての
アドバイスをまとめました。
離婚に向けて別居をすることには多数のメリットがあります。
ですが、場合によっては別居してしまっては不利になるケースもあるんです。
自分の事例と照らし合わせて、
最善の選択をするための参考にしていただければ幸いです。
別居した方がいい2つのケース
まずは、別居した方がいいのではと思われるケースについてご紹介します。1.暴力をふるわれている
パートナーから暴力を受けている場合は、一刻も早く距離をとる必要があります。
「殴ったあとはいつも反省しているから」
「まだ離婚が成立していないから」と同居する必要はありません。
悲しいことですが、配偶者による暴力で亡くなる方も
少なくない世の中ですから、自分の安全を第一に考え、別居に踏み切りましょう。
2.明らかに配偶者が不倫をしている
パートナーが不倫をしているという明らかな証拠があり、
それにより精神的苦痛をこうむっている場合は、別居をしましょう。
法律上、「不倫をした側が悪い」ことになっていますから、
不倫された側は別居をしても咎められることはありません。
後述しますが、「不倫しているような気がする」という証拠がない段階だと、
また話が違ってきます。
離婚するための別居。どんなメリットがあるの?
離婚を考えて別居する場合、いくつかのメリットがあります。生活費を心配することなく、落ち着いて離婚の準備ができる
専業主婦(主夫)の場合、相手に否がある離婚であっても、
別居することで生活費がもらえなくなるのでは、という心配があるかと思います。
ですが、別居中であっても、婚姻が継続している間は、
生活費をもらうことができるのです。この生活費を婚姻費用といいます。
婚姻費用を請求する場合は、お互いで合意に達しない場合、
弁護士に依頼することになります。
「同居は苦痛だから、一刻も早く離婚したい」という状況では、
落ち着いて慰謝料や生活費・養育費について話し合うことは難しいですが、
別居した場合、生活費を受け取りながら離婚準備ができるので、冷静に
離婚に向けての話し合いを行うことができます。
別居が離婚の事由として認められる
日本の法律において、別居は、離婚の理由として考慮されます。別居歴がある夫婦の方が、同居している夫婦よりも離婚がしやすくなるのです。
また、別居期間は長ければ長いほど離婚できるという判決が下されやすくなります。
配偶者が考えを改める
あなたが別居を始めたことにより、あなたの離婚への本気度は
パートナーに伝わるでしょう。それにより、パートナーがこれまでの
生活態度を改める可能性もあります。
別居で不利になるケースも!別居前に確認しておくべき注意点
これまで、離婚前に別居するメリットを述べてきましたが、場合によっては別居が不利になるケースもあります。
離婚前の別居の注意点を確認しておきましょう。
正当な理由もないのに別居すると不利になる
前述したように、パートナーの浮気は別居の正当な理由になります。
ですが、浮気しているのではないか、と疑いが生じたレベルで離婚することは
危険です。なぜなら、証拠が無い段階で別居してしまうと、
相手が「別居して夫婦関係が破たんしていたから不倫した」と
主張しかねないからです。
「夫婦関係が破たんしている状態での不倫」は罪には問われません。
ですから、別居するためには正当な理由が必要となります。
別居の正当な理由とは
- パートナーが浮気をしているという明らかな証拠がある
- DV
- モラハラ
- 金銭的な問題
こういった理由無く、別居に踏み切ってしまうと、
離婚協議の際に「夫婦で同居し協力し合うことを一方的に拒否した」とみなされ、
不利になってしまう可能性があります。
相手に離婚届を勝手に提出される恐れがある
かなり稀ではありますが、別居していることをいいことに
勝手に離婚届を偽造され、自分の意思とは関係なく離婚が成立してしまうことがあります。
あなたが後で訴えても、別居していることにより「離婚は合意のうえだった」と
相手が主張してくる可能性すらあるのです。
そういった事態を防ぐためには、役所に「離婚届不受理申出」を提出しておくといいでしょう。そうしておくと、パートナーが一人で離婚届を提出しに行ったとしても、役所は離婚届を受理できなくなります。
最後に
「DV」「相手が不倫している証拠がある」場合で、離婚を進めたいという方は、すぐにでも別居を始めた方が良いでしょう。
ですが、正当な別居理由無しに、別居をしてしまうと離婚協議で不利益を被ることも考えられます。
別居前には充分に、「その別居が離婚において不利になるか・有利になるか」を検討しましょう。
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